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AK4490 基板の製作 その2

旭化成エレクトロニクスの AKK4490 基板と AK4490 のレジスタ設定と DAC 基板を電気的に分離する基板を試作して動作の確認をしました。

これらの基板の設計ミスの修正と幾つかの変更内容を反映した基板を再度設計しています。各基板の概要等は後述しますが共通した特徴としては基板の色を緑から黒に変更したことです。基板サイズを BeagleBone Black(以下BBB)と同じにしていますので基板の色も合わせました。これらの基板を組み合わせることで最大 768kHz の PCM 入力と 11.2MHz の DSD 入力に対応可能です。

ちなみに基板名称をそれぞれ DSD-A4490、RCI-A4490 としています。以下、これらの基板の概要です。

DSD-A4490 基板の特徴

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DSD-A4490 ということでアナログフィルタは DSD の再生に最適化しています。もちろん PCM の再生にも問題はありません。アナログフィルタの抵抗およびコンデンサを誤差 2% の Panasonic 製のフィルムコンデンサ ECHU シリーズに、抵抗を誤差 0.1% の薄膜抵抗にしてフィルタ特性の精度を高めるとともに音質の向上を図っています。オペアンプは標準では定番中の定番 NE5532 を採用していますがソケット対応としましたので好みのオペアンプに変更することもできます。また、アナログフィルタ部のパターンは 0805 サイズのチップ部品とリード部品が実装できるようにしました。フィルタ以外の面実装部品のみを実装した基板で自作派の方に電源のコンデンサやアナログフィルタの抵抗・コンデンサ部品の選択を楽しんでもらえるようにと考えています。

AK4490 のアナログ 5V 電源は L チャネル R チャネルそれぞれ独立にシリーズレギュレータで生成し供給しています。さらに周辺の電源用のコンデンサはノイズ特性に優れた OS-CON を使いました。電源パターンは極力太くしレギュレータから低インピーダンス状態のまま端子に配線しています。

RCA ジャックは基板に実装されていませんので、基板からハーネスで RCA ジャックに直接配線するかオプションにリレーミュート付基板があるのでこれを使うこともできます。

ショートピンの設定やコネクタの信号割当て機能等の情報は DSD-A4490 基板説明書を参照してください。デフォルトでは全てオープンでショートディレイ・シャープロールオフフィルタ、32bit I2S、パラレルモード、ディエンファシスフィルタオフ、マスタークロック自動セッティングの状態になっています。

RCI-A4490 基板の特徴

rci-a4490.jpg(62362 byte)

RCI-A4490 基板は AK4490 のレジスタを設定する為のコントロール基板です。最大 768kHz の PCM と 11.2MHz の DSD 入力に対応することが可能です(768kHz PCM は未確認)。

基板上のヘッダーピンとディップスイッチで各種設定ができます。音質やディジタルフィルタ等の比較的頻繁に設定するような項目はヘッダーピンに、データ入力フォーマットやステレオ/モノモード変更等一度設定すればその後の設定はあまりしない項目はディップスイッチに割当てています。デフォルトの状態はヘッダーピンの 1-2 のみショートで DSD Volume Bypass、音質セッティング1、ディエンファシスフィルタ オフ、スーパーロールオフ無効、ショートディレイシャープロールオフディレイ、32ビット I2S 互換、DSD サンプリング 11.2896MHz、ステレオモードになっています。詳細は RCI-A4490 基板説明書を参照してください。

基板上の CN4 はアッテネーター基板 ATT-A4490 と接続するコネクタです。PCM/DSD とも 0dB 〜 -127dB まで 0.5dB ステップで出力レベルを変化させることができます。アッテネーターは R チャネル L チャネル共通です。

そしてもう一つ重要な機能は BBB を含むデジタル回路と DAC 回路とを電気的に分離するアイソレーション機能です。これによって DSD-A4490 基板は BBB 側の電源の影響を受けることなくクリーンな電源・GND の供給を受けることができます。また、BBB の電源と外部電源のオン・オフタイミングは(デバイスにダメージを与えるという意味では)気にする必要がなくなります。

AK4490 の内部レジスタコントロールは Altera の CPLD(Complex Programmable Logic Device) MAX II で行っています。プログラミングの為の JTAG コネクタを実装していますので機能拡張時等にはデバイスへの書込みができます。尚、書込みには Altera 社製 FPGA/CPLD を開発するソフトウェア Quartus 2 とダウンロードケーブルが必要になります。

リレーミュート付基板

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DSD-A4490 の CN7,CN8,CN9 と CN201,CN202,CN203 をそれぞれハーネスで接続します。DSD-A4490 基板上のオペアンプ電源 ±12V が電源オン時に安定になるまで、電源オフ時に不安定になる前にリレーを制御し電源オン・オフ時のボツ音を低減させます。

基板の穴位置は DSD-A4490 基板の電源コネクタ側の穴位置とあっていますのでスペーサで固定させることができます。スペーサは高さが14mm 以上のものを推奨します。スペーサーの高さが足りないとターミナルブロックのネジと RCA ジャックの足と干渉する可能性があります。

アッテネーター基板 ATT-A4490

att.jpg(23888 byte)

1回転あたりのパルス数 24 のロータリーエンコーダーの A 相 B 相を出力します。出力はシュミットトリガインバータ 74LVC14 と RC フィルタでチャタリングを除去しています。RCI-A4490 基板の CN4 に接続してアッテネーターとして使っています。

頒布

このページで紹介した基板をLINUXCOM ネットショップで頒布開始しました。寄ってみてください。

このページは2016年4月17日にはじめてアップされました。

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